コージンバイオとツーセルによる再生医療の安全性確保法下における関節軟骨再生細胞治療製品「gMSC®1-A」に関するライセンス契約の締結について
会社情報
コージンバイオ株式会社(本社:埼玉県坂戸市、代表取締役社長:中村 孝人、以下、コージンバイオ)と株式会社ツーセル(本社:広島県広島市、代表取締役社長:松本 昌也、以下、ツーセル)は、ツーセルが創製した関節軟骨再生細胞治療製品gMSC®1-Aに関するライセンス契約を締結しましたのでお知らせいたします。これにより、コージンバイオは、日本における自由診療下での自家移植gMSC®1-Aを医療機関から特定細胞加工物として受託製造する権利を保有します。ツーセルは、本契約の対価として契約一時金、ロイヤリティ等をコージンバイオより受領します。
本契約により、コージンバイオおよびツーセルは再生医療等安全性確保法の下、自家移植でのgMSC®1-Aの医療機関への加工受託のサービス提供を協働して行って参ります。
コージンバイオ代表取締役社長の中村 孝人は、「当社は、長年にわたり細胞培養用培地の研究開発で培ったノウハウ、培養技術を最大限に生かし、全国の医療機関様より免疫細胞や幹細胞、線維芽細胞等の細胞加工を受託しております。再生医療や細胞治療を必要とされる患者様の治療やQOLの向上を願いながら、日々、高品質な特定細胞加工物を提供して参りました。この度のライセンス契約の締結により、当社細胞加工の新たなラインナップとして、関節軟骨再生細胞治療製品gMSC®1-Aを患者様にご提供できることを非常に嬉しく思っております。関節軟骨の損傷により、お悩みを持たれている方々に、1日でも早く本製品をお届けできるよう尽力してまいります」
ツーセル代表取締役社長の松本 昌也は、「当社は自社開発の無血清培地と培養技術により品質の担保された間葉系幹細胞を大量培養し、現在の医療では治療法がない、もしくは根治が難しい患者様に再生医療という新たな治療の選択肢を提供することを目指して参りました。これまでに多くの方々のご協力により得られたデータと経験を少しでも早く患者様にお届けするべく、当該契約がその実現の後押しとなると考えております。将来的な保険収載のための製造販売承認取得も見据えつつ、まずは自由診療での提供の実現を目指します。」と語っています。
ツーセルは、当該ライセンス契約に基づき、自由診療下でのgMSC®1-Aの製造に関して技術移管のうえで早期に患者様にお届けできるよう医療機関との協議を進めて参ります。
関節軟骨再生細胞治療製品「gMSC®1-A」について
gMSC®1-A は、ツーセルが開発を進めている滑膜由来の間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell:MSC)を用い、膝をはじめとする関節軟骨再生を目的に創製した再生細胞治療製品です。この製品は、ツーセルが所有している技術および無血清培地(STK®1、STK®2)を用いて創製されたMSC の三次元人工組織(担体を必要としない)であり、軟骨再生に有効な治療法を提供することが期待されています。また、gMSC®1-A の研究開発においては、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)、経済産業省、AMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の支援を受けて推進してまいりました。
ツーセルは、2023年に第3相臨床試験結果を公表し、主要評価は未達であったものの、副次的評価項目において軟骨の構造学的評価における軟骨再生が示唆されたため、引き続き開発を進めることを発表しております。
コージンバイオについて
コージンバイオ株式会社は、1981年4月に設立し、細胞培養用培地や体外診断用医薬品、細菌検査用培地の製造販売、細胞加工の受託を中心に事業展開を行っております。近年ではグローバルで再生医療の市場が急速に拡大しており、細胞の培養に使用される培養液の研究開発に注力するとともに、国内外で再生医療分野でのさらなる事業拡大に取り組んでおります。
ツーセルについて
株式会社ツーセルは、2000 年~2003 年のJST プレベンチャー事業「骨・軟骨組織の再生療法チーム」を基盤として、2003 年に起業した広島大学発のバイオベンチャー企業です。再生医療の普及を目指し、体性幹細胞の一種であるMSC をターゲットとし、MSC 周辺の培養技術や再生医療製剤の開発に取り組んでいます。これまでに「幹細胞自動培養装置ゆりかご」や「MSC 用無血清培地STK®シリーズ」の開発、外傷性軟骨損傷および離断性骨軟骨炎を対象とした関節軟骨再生細胞治療製品「gMSC®1-A」の開発を進め国内第3相臨床試験を実施して参りました。
ツーセルに関するさらに詳しい情報はhttp://www.twocells.com/をご覧ください。